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『かがみの孤城』に救われた日。居場所がないと思ったあなたへ【辻村深月】

目次

書籍情報

  • 書籍情報:かがみの孤城
  • 著者:辻村深月
  • 出版社:ポプラ社
  • 発売日:2017年5月
  • ページ数:554ページ
  • Audible:○

『かがみの孤城』は、こんなあなたに寄り添ってくれる本です

「自分だけが、世界からはじかれてしまった気がする」
そんな孤独に、静かに手を差し伸べてくれる物語があります。

学校に行けなかった日。
誰とも話さずに終わった一日。
まるで自分が透明になったみたいで、部屋の中にいるのに、どこにも居場所がないようなー

そんな経験が、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。

『かがみの孤城」はそんな”見えない痛み”を抱えた人たちが、
ゆっくりと心をほどいていく物語です。

ファンタジーの世界を旅しながら、
「自分はひとりじゃなかった」と気づいてく時間は、
読んだ人の心にも、そっとあたたかな光を灯してくれます。

あらすじ|鏡の向こうにあった、もうひとつの場所

学校に行けなくなり、部屋に引きこもっていた中学1年生のこころ。
心を閉ざして毎日をやり過ごしていた彼女の前で、ある日突然、自分の部屋の鏡が光り出します

鏡の中に吸い込まれた先にあったのは、おとぎ話のようなお城。
そこには、こころと同じように現実の世界で居場所をなくした7人の子どもたちが集められていました

「この城のどこかに隠された“鍵”を見つければ、願いが一つだけ叶う」
そう語るのは、オオカミのお面をかぶった不思議な少女。

ただし、城で過ごせるのは毎日朝9時から夕方5時まで。
ルールを破れば、恐ろしいことが起こるという——

願いを胸に抱きながら、一緒に過ごす1年間。
少しずつ明かされていく、それぞれの“理由”。
やがて交差する運命と、思いもよらぬ真実——

そのラストに、きっと涙があふれるはずです。

心に残った言葉たち

「行かないんじゃなくて、行けない」
――こころ(母との会話より)

こころが母に、自分の思いを初めてぶつけた場面。
この一言には、「怠けている」と誤解される苦しさと、それを言葉にする怖さの両方が詰まっています。
その後のお母さんの表情や空気感にも、涙が出そうになりました。

「だって、こころちゃんは毎日、闘っているでしょう?」
――喜多嶋先生(こころへの言葉)

先生にそう言われたとき、
こころだけじゃなく、読んでいる私たちの心にもそっと手を置いてくれたように感じました。
“がんばってないように見える日”にも、実は見えない闘いがある。
それをちゃんと見てくれる大人がいるって、どれだけ救いになるだろう。

「お疲れ」
――マサムネ(ウレシノへのひとこと)

たった3文字なのに、こんなにも心がほどける言葉ってあるんだ…と思いました。
ウレシノの表情が、何も言わなくても伝わってくるようで、胸がぎゅっとなりました。
「理解」は、長い説明じゃなくて、こういう一言にも宿るんですよね。

ハリー

この一言、ぼくも言ってほしいと思う時あるな

かの

私も。ちゃんと見てるよ、って伝わるよね

読後に感じたこと|「ひとりじゃない」と思えた瞬間

『かがみの孤城』を読み終えたあと、
胸の奥に残っていたのは、静かな希望でした。

誰にも話せない痛みがあっても、
それを分かろうとしてくれる誰かが、
どこかに、きっといる。

「ひとりじゃない」って、
誰かに言われること以上に、
心の奥で“そうかもしれない”と思える瞬間が、こんなにも救いになるんだって感じました。

そしてもうひとつ。

過去は変えられないけど、
「変わりたい」と思っている限り、未来は変えていける。
こころや、他の子たちの姿がそれを教えてくれました。

誰かの痛みに気づける人になりたい。
そう思わせてくれる読後感でした。

かの

ひとりじゃないって、自分で思えたら、少しだけ強くなれる気がするんだよね

ハリー

ぼくも、そう思いたいって思ってる途中なの

こんな人におすすめです

  • 学校や職場、家庭などで「ここにいていいのかな」と感じたことがある人
  • 誰かとちゃんと話したいのに、うまく言葉にできなくてひとりになってしまう人
  • 子どもや生徒の「心の声」に気づいてあげたいと思っている大人
  • ファンタジーが好きだけど、リアルな感情や成長にも触れたい人

どこにも居場所がないと感じたとき。
誰にもわかってもらえないと思ったとき

『かがみの孤城』は、そんなあなたにそっと寄り添ってくれる一冊です。

まとめ|この物語が「鍵」になることを願って

誰かの「たすけて」に気づける人でありたい。

『かがみの孤城』は、そんなやさしさを思い出させてくれる物語です。

生きていると、「どうしてわかってもらえないんだろう」と感じることがあります。
でも同時に、自分もまた誰かの痛みに気づけていないかもしれない——
そんな問いかけを、そっと心に残してくれました。

鏡の向こうにあったのは、
ファンタジーの城ではなく、
本当は誰もが持っている“願い”や“希望”そのものだったのかもしれません。

この本に出会えた日が、
あなたにとっての“ひとつの鍵”になりますように

ハリー

この本、ぼくの小さな宝箱に入れる!

かの

うん、大切なときにそっと開けたくなる物語だよね

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