はじめに|小さな声が、やさしく世界を変えるとき
いちばん勇気がいる言葉は、“たすけて”。
その言葉が言えたとき、わたしたちはほんとうにつながるのかもしれない。
『ぼく モグラ キツネ 馬』は、誰かとやさしく向き合うようにして読んでほしい一冊です。
とくに、ちょっと立ち止まりたくなる、そんなときに──。
書籍情報
・書籍タイトル:『ぼく モグラ キツネ 馬』
・著者:チャーリー・マッケジー
・出版社:飛鳥新社
・発売日:2021年3月17日
・ページ数:128ページ
あらすじ|「対話」だけでできた、やさしい物語
名もなき「ぼく」が、モグラ・キツネ・馬と出会いながら、
少しずつ対話を重ねていく――。
この本にストーリーらしいストーリーはありません。
けれど、どのページにも「今のあなたに必要な言葉」が、静かに置かれています。
まるで日だまりの中で誰かと話しているような、
そんな読書体験が待っている一冊です。
読書の軸と視点|ノアのひとことメモ
この本の軸は、
「弱さ」も「優しさ」も“ありのまま”を肯定して、“つながり”の循環を作ってくれるから尊い
ということ。
読むときに大切にしたい視点は、
「いまの自分には、どの言葉がいちばん響くか」。
モグラ? キツネ? 馬? それとも、名もなき「ぼく」自身?
答えは、あなたの中にそっとあります。
心に残った言葉|かのの読後メモ
❝たすけて❞ が いちばん勇敢なことば

“たすけて”って、言えるようになるまでがいちばん怖いよね…



でも、言えたら…ほんとは、すごく強いってことだよね…!
弱さを見せることは、逃げることじゃなくて、
誰かとつながるための”はじまりの合図”なのかもしれないですね。
❝ぼくは、ぼくのままでいいってこと❞



ぼくもこのままでいいのかなぁ…?



もちろんだよ。ハリーはハリーだからいいんだよ!
“ちゃんとしなきゃ”と思いすぎて、
ふと立ち止まりたくなったときに、
この一言がそっと背中をなでてくれるようでした。
❝きみたちといるこのばしょも、うちだとおもっていいかな?❞



ねぇ、ハリー。“うち”ってどんな場所だと思う?



うーん……あったかくて、安心して、ふわってなるとこ!
大切なのは場所じゃなくて、
“誰といるか”なんだって、この本が教えてくれました。
この言葉たちは、どれも「そのままでいていいよ」と言ってくれているようでした。
特に“たすけて”は、声に出すことの勇気を思い出させてくれる、とても大切な一行でした。
こんなときに読んでほしい
・ちょっと疲れていて、自分を責めがちなとき
・誰かにやさしくしたい気持ちを思い出したいとき
・自分のままで、そっと深呼吸したい夜に
おわりに|「ただいま」と言える場所
やさしさって、なんだろう。
そう思いながら読み終えたとき、心のなかにあたたかな「ただいま」が生まれていました。
この本に出てくる登場人物たちは、どれも特別ではないけれど、
だからこそ、「あなたのままで大丈夫」と伝えてくれます。
きみがいると、世界はでっかくかわる。
その言葉を、今、誰かが待っているかもしれません。
今日もこのブログに立ち寄ってくださり、本当にありがとうございます。
あなたの明日がより素敵なものになりますように。