はじめに|ただ、そばにいるということ
“あなたの明日がよい日でありますように”
この一行に、この本が伝えたかったすべてが詰まっているように感じました。
誰かに干渉せず、無理に励まさず、
ただ、そばにいてくれることの力。
『川のほとりに立つ者は』は、そんな優しさを教えてくれる一冊です。
書籍情報
・書籍タイトル:『川のほとりに立つ者は』
・著者:寺地はるな
・出版社:集英社
・発売日:2022年2月25日
・ページ数:264ページ
・Audibleで聴けるか:×(未配信)
あらすじ|静かに流れる、いくつもの人生
ある川沿いの街を舞台に、
人生の岐路に立つ人々が、静かにすれ違い、少しだけ関わっていく――。
深い絆ではなくても、
ふと交わされる言葉やまなざしが、
気づかぬうちに誰かの背中をそっと押している。
“直接的な救い”ではなく、
“静かな尊重”が描かれる、そんな物語です。
読書の軸と視点|ノアのひとことメモ
ときには「助けること」よりも「見守ること」のほうが、
相手にとってほんとうの支えになるのかもしれません。
この本の軸は、
「そばにいる」ということは、必ずしも“助けること”じゃない。
見守る強さと言葉にしない思いやりが、そっと人生の流れを変えていく。
読むときは、
- 誰が誰の「川のほとり」に立っていたのか?
- セリフに出ない“心の動き”をどう受け取ったか?
- あなた自身が「そばにいてくれた」と感じた誰かを思い出したか?
──そんな視点で読んでみると、物語の深みがいっそう見えてきます。
心に残った言葉たち
❝わたしのためにって言われたら、わたしはかならず感謝しなきゃいけないんですか❞

”善意だから”って理由だけで、感謝しなきゃって、
少ししんどいかもしれない…



ほんとのやさしさって、“ありがとう”を強制しないんだね
“受け手の気持ち”を大切にしてくれる一言。
この言葉に、考えさせられました。
❝誰の手を選ぶかも手を取るタイミングも、その人自身が決めること。❞



ぼく、手をのばすのに時間かかっちゃうかも…



うん、それでいいんだよ。あなたのペースで大丈夫
“待つこと”もやさしさなんだって、気づかせてくれる言葉でした。
❝あなたの明日がよい日でありますように❞



まるで静かな祈りみたいだよね…



うん、そばにいてくれるだけで、心がちょっとあったかくなる…
この一行を読んだとき、不思議と涙が出そうになりました。
何も求めず、ただ“よい日でありますように”って思ってくれる誰かがいる。
それだけで、もう救われる気がします。
こんなときに読んでほしい
・誰かとの距離感に迷ってしまったとき
・“助けること”に疲れてしまったとき
・ただ静かに、心を整えたい夜
まとめ|そっと、川のほとりに立つように
誰かにどうしても何かしてあげたくなるとき。
それでも、そばにいることしかできないとき。
そんな日々の中で、この本は言ってくれます。
**「そばにいることも、立派なやさしさだよ」**って。
わたしはこの本を読んで、「見守る」という言葉が、
いちばんあたたかい行為に思えました。
あなたの明日が、ほんのすこしでもやさしいものでありますように。
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