MENU
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

『いのちをむすぶ』感想|“手から手へ” やさしさをむすぶ、生きるということ【佐藤初女】

佐藤初女さんが握ったおむすびに込められていたもの。それは、「いのち」と「こころ」をそっと手渡す行為でした。

目次

書籍情報

書籍タイトル:いのちをむすぶ

著者:佐藤初女

出版社:集英社

発売日:2016年3月4日

ページ数:128ページ

Audible:×

はじめに

『いのちをむすぶ』をひとことで言うなら——「手から手へ

初女さんのしてきたことは、どこまでもささやかで、静かで、まっすぐでした。

誰かのために、ただ一つのおむすびを結ぶ。
それは、何かを“してあげる”ということではなく、
目の前のその人の存在そのものに向き合い、「あなたのままでいい」と手渡すこと。

この本には、そんな“生き方”そのものが、言葉として、あたたかく残されています。

「食はいのち」——食べることは、生きることそのもの

かの

「“食べる”って、ただエネルギーを補給することだと思ってた。
でもそれ以上に、“自分のいのちを支える選択”なんだよね。

初女さんが語る「食はいのち」という言葉には、
生きることをただ続けるのではなく、丁寧に引き受けていくという意思が込められています。

  • 誰かが育てたものをいただくこと
  • 誰かが整えてくれた手間に感謝すること
  • そして、自分の“いのち”を支えるという選択を、自分ですること

そのすべてが、とても“意識的な営み”なんだと、静かに背筋が伸びるようでした。

ハリー

おにぎりって、ただのごはんじゃなかったんだね…。
食べることって、“こころ”も一緒にむすんでるんだ

「受け容れる」——ただ、そばにいるということ


受け容れるって、何かを許すことでも、わかりあうことでもない。

かの

ここにいていいよ』って、黙って隣にいてくれる。
そのだけで、心がほどける瞬間ってあるよね。

ハリー

なんにも言われないのに、“わかってくれてる”って思えるとき、あるもんね。

そんなふうに誰かがいてくれることが、“生かされる”っていうことなのかもしれません。

「心」——尽きるどころか、深まっていく

私には心がある。
心なら、汲めども汲めども尽きることはありません。

初女さんがそう語ったとき、ふと思いました。

「心」は、誰かに差し出すことで“減るもの”ではなく、“広がっていくもの”。

  • やさしさをかければ、相手の中にぬくもりが生まれる
  • そのぬくもりが、また誰かに手渡されてめぐっていく
  • そして気づけば、自分の中にもさらに深いやさしさが湧いている
かの

“尽きない”というより、“深まっていく”んだね。
初女さんは、それを知っていた人だったんだと思う。

読んでよかったこと


読んだあと、不思議なほど心が静かになりました。

誰かにやさしくなりたい、そんな願いを叶えるには、
まず自分の心が整っていることが大切なんだと、あらためて思いました。

そして、たとえば「ちゃんとごはんを食べる」「無理せず、黙って寄り添う」——
そんなシンプルな行為こそが、いのちを支え、心をむすぶ行為なんだと。

こんな人におすすめ

  • 自分を後回しにしていると感じる人
  • だれかにやさしくなりたいけど、疲れている人
  • “静かな生き方”に触れてみたい人
  • 日々を少し丁寧に過ごしたくなった人

まとめ

『いのちをむすぶ』は、特別な技術や知識ではなく、
生きることそのものを大切にしたいと思える本です。

かの

やさしさって、むすぶことなんだなって思った。
自分の心と誰かの心を、そっと手から手へ

ハリー

ぼくも、あったかいおむすび、にぎってみたくなっちゃった。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次